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2008年 09月 30日
恋に落ちる。Part4
 
何時間も二人っきりで一緒にいて

居酒屋とかダーツバーとかファミレスとか車の中とか
ひたすら話ばかりしてそれが普通に楽しくて

その勢いで水族館に行くことになった

「どこか行きたいとこある?」と聞かれて
「天気悪そうだし、ベタな感じがするから水族館(笑)」

と言ったらびっくりするほど簡単におっけーだった


直前まで何を着ていくか迷いに迷った

可愛い格好はしていきたいけど、いつも着ないだけに
「こいつ何気合入ってるんだ」と思われるのは嫌だし

でもせっかくのデートなんだからとウジウジしていたら
いつの間にか待ち合わせの時間になっていて慌てて出かけた

大分涼しくなってきたので、結局ワンピースにブーツ
そして少し前に彼からもらったお土産のスカーフを巻いていった


  「お待たせ~。」

  「おう。おはよ。」


挨拶をして車に乗り込む

レンタルショップでCDを借りて
少し混んでいる都内をノロノロと進む


  「渋滞ほんとキライ。」

  「まぁ、全然動かないわけでもないからいいじゃん。
   てか、こないだお土産にもらったスカーフ、してみた~。
   これシルクだよね?スルスルしてすごい気持ちいいよ。」

  「ちゃんと気付いてるから。いつ言おうか考えてた。
   すげー似合ってる。」


水族館は思いのほか家族連れで賑わっていて
子供に水槽の前を譲ってばかりいたら

「そんなんじゃ見えないでしょ。」と彼に笑われた


ペンギンが滑り落ちれば二人で「かわい~」を連発して
マグロが回遊するのをぼんやり眺めていた

いつもなら海の中で見ている生き物たちも
ガラス越しだとゆっくり顔を合わせられることが新鮮だった


歩きながら手が触れたり手を繋いだり
一人で歩いたり二人で歩いたり

そうやって水族館を出る頃には
どちらからともなく手を繋いでいて

恥ずかしくてまともに顔を見ることなんてできなかった


「なんで手を繋いでるの?」と聞いてしまったら
全てがはっきりして終わってしまいそうで

そんなことは何でもないことのように公園を歩く


出掛けに降っていた雨も上がって少し晴れ間も見えて
それすらも今日のこの日のためだと思えるほど浮かれていた


  「どうしよっか。」

  「観覧車でも乗ってく?」


私たちは空に浮かぶ観覧車に向かって歩き出した。
 

by nobiko9 | 2008-09-30 10:02 | 恋愛スル


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