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2008年 03月 25日
F.E.S.N. in MOTT gallery B-side
  
地下鉄の階段を上りきって携帯を取り出す
久しぶりに緊張している自分に気付く

緊張するってことは落胆させたくないってことで
それはつまり自分を良く見せたいってことだから

でもそんなものはこの期に及んで意味のないことで
期待で胸をドキドキさせながら向かうのが礼儀だと思った


ブログに書いてある道順通りにギャラリーを目指す

商店街から一本道を入ると静かな住宅地が広がっていた
時間が遅くなってしまったので辺りは少し暗い

そんな中、ぼんやりと光っている建物の前には
煙草を吸いながら立ち話をしている人達が見えた

どこの誰かも分からない人間が挨拶をするのも変だと思って
無表情のまま通り過ぎ、2階への階段をゆっくりと上っていく


想像通りの広さのギャラリーには
想像以上にたくさんの人間で溢れていて

部外者の私の登場で会話を止めてしまったことを申し訳なく思いながら
軽く会釈だけしてそのまま写真を見るために移動しようとした

すると輪の中心にいた女性に声をかけられた


「えーっと。お茶とコーヒーとワインとありますけど
 どれ飲みますか?」

「えっ?ありがとうございます。
 それじゃコーヒーお願いします。」

「はい。ちょっと待ってくださいね。」

「あ、あの‥‥。のびさんて、どの方ですか?」

「今、下に行ってるのですぐ戻ってくると思いますよ。
 あのー・・・。もしかして、のびこさんですか?」

「・・・・・はい。」

「キャー!!」


その彼女はやはりエリコさんだった
後ろで風のように微笑んでいる人がshiGeさんだった
なぜだか興奮気味でしゃべっている人がfumiさんだった

まずエリコさんに
横浜でお会いできなかったことを謝った

もちろん初めてお会いしたのに
脳内再生されていた声とピタリと一致していて嬉しかった


ガツ、ガツ、ガツ


階下から人が上ってくる音が聞こえる


「のびさん、のびさん!のびこさんだよ!!」

「のびこさん?!うわー、本物??
 黒い箱じゃなかったんだー!!」


のびさんだった
なんだか数年越しの片思いの相手にやっと巡り会えた気分だった


「すげー。最後の最後でほんと嬉しい!」


私がブログに「行きます」とコメントだけ残したものの
DMの要求もせず、誰にもいついくかの連絡をしなかったため

もう来ないんじゃないかと
そして「のびこ」なんて実在しないんじゃないかと思われていたらしい


DMはメールをするタイミングを逃したからだし
準備で忙しい時期に「いついつ行きます」なんていう
個人的なメールをするのは憚られた

私が行きたいから、勝手に行くだけなのに


こんなに熱烈に歓迎されるとは思っていなくて
こんなに待ち遠しく思ってくれているなんて考えもしなくて

嬉しさよりもずっと驚いてばかりだった


どうしよう
ちょっと、自惚れてしまいそうだ


会場は19時までだったにもかかわらず
20時くらいまでお話をして、ちゃっかり打ち上げに参加して

気付けばのびさんと二人で電車に乗っていた


日曜日のこの時間
都心を走る地下鉄は空いていて

向かいのシートに座っている4人は
それぞれ本を読んだり音楽を聴いていたりした

それらはいつもと全く同じ風景のはずなのに
一つ一つ手にとって確かめないと、現実でないような気がした

本当に夢みたいだ
のびさんと一緒になって電車に揺られているなんて


聞きたいことも話したいこともたくさんあるのに
なんだか私はうまく話すことができない

のびさんからは嬉しい言葉達をたくさんもらった

自慢したいのはやまやまだが
もったいないから誰にも言わないでとっておこう


窓ガラスに自分の姿が映る

あぁ、なんてこったい


今の私はまさしく
ドキムネ以外の何者でもないじゃないか。
   

by nobiko9 | 2008-03-25 15:57 | 外ヲシル


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