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2008年 01月 08日
聖なるクリスマスの正しい過ごし方。Part12
 
電話はよくするが
顔を合わすのは久しぶりだ


  「おはよ。」


思わず笑顔になってそう返す

クリスマスとは何の関係も無く
単に私の誕生日を祝ってくれるらしい


  「遅くなっちゃったけど。だいたいクリスマスイブなんて
   なんで知らないおっさんの誕生日を前日から祝わなきゃいけないんだよ。」

  「知らないおっさん・・・。あぁ、キリストのおっさんね(笑)」

  「あ、今日はお財布出さなくていいからね。俺プロデュースの一日を
   弱っているのびちゃんに堪能してもらいたいの。
   そんですげーって思ってほしいの。」


梅にふられて落ち込んでいることを知っている虎は
わざとこんなふうに言う

他の男に言われたらグラっとくるかムカっとする言葉も
虎が言うと「その戦い、受けてたとうじゃないの」と思えるのは不思議だ


車に乗り込んで目的地に向かう

車内ではしゃべりっぱなし
梅と紅葉を見に行った車内の静けさとは対照的だ


  「え?梅さんと車の中で話してないの?」

  「うん。ほとんど会話してない。」

  「なんでー?」

  「梅の前では必要なこと以外話せない。
   何か話したいことあっても梅の興味がない話は言いたくない。
   何か聞きたいことがあっても梅が言いたくないなら聞かない。
   そういうの考えてると何も言えなくなる・・・。」

  「まじで?」

  「しかも二人だから寝たくないし。あれはつらかった。
   散歩しながらならまだ大丈夫なんだけどね。
   私、好きな人の前だと考えすぎて自滅するタイプ。
   虎とだったらいくらでも話せるのになぁ。」


近況や今年の振り返りをしながら車は進む

海の近くの市場を冷やかして新鮮な海の幸でお昼をいただいた後
私達は次の目的地である陶芸の街に向かった


指定の時間まで少し間があったのでカフェに入る

室内に点在する昔ながらのストーブの上では
ヤカンが白い蒸気を上げていた

マスターが淹れてくれたコーヒーはやけに美味しい


歳も性別も生い立ちも
同じところなど何もない私達は

それなのになぜか考え方に似ているところがある
そして過程が同じでも結果が全く異なる場合がある

それは例えば
「ドリアンてすごい匂いだよねー。」
「だから好き」「だから嫌い」

というようなもので
そこに「なぜだ」と突っ込んでも意味がない

それよりも私は
思考の道筋が似ている虎と話すのが楽しかったし
なおかつ私と反対の結論を出す虎が面白かった

そんなことを頭ので考えながら
私達はとりとめのないことを話していた。
 

by nobiko9 | 2008-01-08 16:55 | 恋愛スル


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