2011年 01月 19日
タワーを出ると入った時よりも人影がなく 店の灯りも徐々に消えていく 寒かったけれど展望台から見えた洋館が どうしても気になって確認しに行くことにした 昼間はここから船が出ているようだが さすがにこの時間は固く門を閉じていて 少し残念に思いながら海沿いにある 木でできた遊歩道をゆっくりと歩く 海は油がとっぷりと浮いているように真っ黒で重く 空も砂浜も真っ黒で 波打ち際に見える鳥が本物かどうかも区別がつかないくらいだ カン カン カン 一歩進むごとに響く靴音は 海の中に吸い込まれていく 潮の匂いと 海の音と 私たちが歩く音 「星がみえる。」 「ほんとだ。」 「一緒に、みれた。」 手を繋ぎながら 二人で空を見上げて 東京よりも綺麗に見えるのは 空気が澄んでいるのか それとも二人が一緒だからか 「さむい。」 私がそう言うと 彼は何も言わずに繋いでいた手に力を込めた。
by nobiko9
| 2011-01-19 21:19
| 恋愛スル
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