2010年 11月 12日
「あらー。奇遇だね。 そんなこと言われたら、来月また遊びに行っちゃうよん。」 「楽しみにしてるよ。 けど正直なところ、目的がジブンと会って話すだけなんだったとしたら ちょっと申し訳ないな。」 私の家から彼のいる場所まで 軽く4時間はかかる距離がある 10月に会った時も別の友達に会うついでに という伝え方をしていた 最初はその友達と三人で飲もうと話をしていたのに 彼と二人で話をしたかった私は友達に連絡を取らなかった 「奇遇だね」の後の「申し訳ない」に 私はどのような反応を取るのが正しいのだろう 彼はどんな気持ちでこのメールを書いているのだろう まるで抱き締められた後に突き放されたような気分だ と考えたところで諦めた 彼がどう考えているかなんて4時間の場所にいる エスパーでもない私が分かるわけない 私に分かるのは 自分が彼に会いたくて その彼が今自分とメールしているという事実だ 「正直に言うと、実は前回友達には連絡してないんだ。 私はそれだけが目的でも、会えたら嬉しいんだけどな・・・。 だめかな? ごめん、酔っ払いかも。」 #
by nobiko9
| 2010-11-12 21:35
| 恋愛スル
2010年 11月 11日
送信ボタンを押してから 「あぁ、マズイ」という気持ちと 「もう、どうにでもなれ」という気持ちが交錯して どうしてよいのか分からない私は 思わず電源を切りたくなる そのくせ今にも返信があるんじゃないかと目が離せない 紫煙にまみれた店の中で 周りには友達が大勢いて 何杯目かのお酒を飲んで酔っ払っているのに 考えることやることは 中学生の頃からまるで変わっていないじゃないかと笑ってしまう と 携帯の液晶が明るく光って 電波のマークが点滅して 携帯が震えてメールを受信した 逸る気持ちを抑えて 逃げ出したくなる気持ちをこらえて 受信ボックスを恐る恐る開く 「まあここは明るいし少し騒がしいからなあ。 せっかく一緒に見るなら静かで落ち着いた所がいいね。 お、冬の大三角もよく見える。」 「今、おうちへの帰り道? あー、なんか会っていろいろ話したいなぁ。」 「そうだよ。 奇遇やな。ちょうど同じように思ってたかもしれない。」 #
by nobiko9
| 2010-11-11 00:15
| 恋愛スル
2010年 11月 10日
出会ってすぐにセックスしたほうが良いとは言わない 言わないけれど私は好きな男としたいと思うし 実際その夜 同じ部屋でお酒を飲みながら 「あぁ、この人としたいなぁ」と思っていて その思いはきっと彼にも伝わっていたはずなのに 一切手を出されなかったという事実は 彼は私のことを恋愛の対象として見ておらず これ以上彼に踏み込むことを拒まれている以外の何物でもないと思った だから私は迷っていた 今だったらまだ仲の良い友達として これからも良い関係を続けていけるレベルだ 迷いながらその日も 彼とメールをしていた いつものダーツバーでオーダーしたビールと 常連さんが入れたシャンパンの瓶の写真を添えて 「シャンパンとびーる。」 「誰かと一緒だったり?」 「地元のダーツバーだよーん。」 「今日は雨降ってたん?」 「ううん。いいお天気だったよ。 そっちは?」 「こっちも朝からすごく良い天気だった。 今も雲ひとつなくて星が見えるよ。」 そこに他意はないだろうし 期待のカケラすら持つことは危険だと分かっているのに 「誰か一緒なの?」と気にしてくれたのが嬉しくて 店に入ったと同時に一気したシャンパンが回ってきて 私は思わず踏み込んだメールを打ってしまう 「冬は空が綺麗だよね。 一緒に見れないのが残念・・・。」 #
by nobiko9
| 2010-11-10 00:42
| 恋愛スル
2010年 11月 08日
仕事で知り合った年上の彼の名を 元さんという 口数が少なくて でもユーモアがあって 日本舞踊をやっていて 苔や盆栽が好きで 飄々としているその雰囲気は どこか梅に通じるものがあるかもしれない 2月に遊んで 8月に会って そんなペースでしか会っていないのに どこか私の心に引っかかる人だった 10月 メールをしていて 遊ぼうという話になって 久しぶりに会ってやっぱり素敵な人だと思った 一緒にいて笑ってばかりいて 共通点なんて見つけるほうが難しいのに いくらでも話していられるような気がした それでも私は迷っていた なぜなら10月のその夜 二人きりで同じ部屋に一晩中いたのに 手すら握ることなく 本当に何もなかったのだから。 #
by nobiko9
| 2010-11-08 22:01
| 恋愛スル
2010年 10月 11日
彼女持ちの男から口説かれて 年末に仲良くなった男と食事をして 真摯に誘ってくれる年上をぞんざいに扱い 昔一緒に仕事をした年下とホテルに泊まって何もしなかった キスをして強く抱きしめられながら 指をからませて笑顔で見つめ合いながら 懸命に私のことを考えてくれている姿を見ながら 髪を撫でながら「可愛いね」と言われて しばらく会っていないジュリオのことを考える 「おもちゃを欲しがるコドモじゃないんだから」と 窘められたことを思い出す 私が死んだら悲しんでくれると言った声を思い出す 声と匂いと掌を思い出して もう 秋になってしまったのだと気付いた。 #
by nobiko9
| 2010-10-11 22:51
| 恋愛スル
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