2011年 01月 20日
初めてのデート。part10
 
それまでの時間と距離を補うかのように

一分の隙もないくらいぴったりと寄り添って


後から後から愛しいと思う気持ちが膨らんで

肩も鎖骨も腰も指先も

お互い競うように確かめあった



朝になって

帰らなければならない時間が少しずつ近づいてきて


ご飯を食べる姿も

私に向けられる笑顔も


すべて持って帰ることができなくて悲しくなった



彼は当然のように見送りにきてくれて

ギリギリの時間までベンチに座って

手を繋ぎながらどうしたら時間が止めることができるのか考えて

何も言えなくなって

やっぱり時間は止まらなかった


「ずっと、手繋いだまんまだね。」

「・・・貯めとく」

「ん?」

「次会う時まで手繋げないから、その分。貯めとく。」

「うん。」


そう言って私は意を決して立ち上がったのに

彼は座ったままで私を見上げている


少し屈んでキスをして

そのまま彼を抱きしめる


彼の匂いに包まれて

私は耳元でずっと言わなかったことを伝えた


大好きだよ。
 
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# by nobiko9 | 2011-01-20 13:26 | 恋愛スル
2011年 01月 19日
初めてのデート。part9
 
ワインと水を買ってホテルに戻る


「つかれたー。」


一日中歩き回っていたから
足がぐったりと重かった

二人とも別々にシャワーを浴びて

すぐに寝てしまいそうなくらい疲れていたのに
なんだか逆に目が冴えてコルクを抜いた

静かな部屋に「トクトクトク」とワインの音が鳴る


「乾杯。」


お酒を飲んで

とりとめのない話をして

最近聞いている音楽の話になって


ふと見るとワインはもうほとんど空いていた


「好きな曲はずーっとリピートして聞いちゃうんだよね。」

「最近の一番は?」

「ipod に入ってるよ。聴く?」

「うん。聴かせて。」


鞄から ipod を取り出し

ベッドに座ってイヤホンを二人で片方ずつつけた


「何言ってるか全然分からないし、気持ちよくて落ち着いてるのに
 暗くならないんだよね。あ、ここのフレーズも好き。」

「あー、うん。いいね。」

「すごく気持ちいいんだ。」


世界がグルグルと回っている

彼らの歌声が私の頭の中を回っている


いつの間にか

私は彼に膝枕をされていて

彼は私の髪の毛を優しく撫でる


曲が終わって

イヤホンを外して

そして彼と目が合って


今度はもう目を逸らすことができなくて


ずっと望んでいたことなのに

痛いくらい胸が苦しくなって


初めてのキスをした。
 
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# by nobiko9 | 2011-01-19 21:54 | 恋愛スル
2011年 01月 19日
初めてのデート。part8
 
タワーを出ると入った時よりも人影がなく
店の灯りも徐々に消えていく

寒かったけれど展望台から見えた洋館が
どうしても気になって確認しに行くことにした

昼間はここから船が出ているようだが
さすがにこの時間は固く門を閉じていて

少し残念に思いながら海沿いにある
木でできた遊歩道をゆっくりと歩く


海は油がとっぷりと浮いているように真っ黒で重く

空も砂浜も真っ黒で
波打ち際に見える鳥が本物かどうかも区別がつかないくらいだ


カン カン カン


一歩進むごとに響く靴音は
海の中に吸い込まれていく


潮の匂いと

海の音と

私たちが歩く音



「星がみえる。」

「ほんとだ。」

「一緒に、みれた。」


手を繋ぎながら

二人で空を見上げて

東京よりも綺麗に見えるのは

空気が澄んでいるのか

それとも二人が一緒だからか


「さむい。」


私がそう言うと
彼は何も言わずに繋いでいた手に力を込めた。
 
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# by nobiko9 | 2011-01-19 21:19 | 恋愛スル
2011年 01月 08日
初めてのデート。part7
 
夜の商店街を抜けて

街のシンボル的なタワーに向かって歩き出す


もちろん
手は繋いだままだ


「ねぇ?」

「ん?」

「バス乗ろうよ。結構距離あるし。。」

「なんで?」

「だってさー。お酒飲んで、おなかいっぱいで。
ね?次タクシー来たら止めても、いい?」

「ダメー。食事の後のいい運動。歩こう。」


少し笑ってそう言って
もう一度強く手を握られた

そうされるともう何も言えなくなって

彼方に見えるタワーに向かって歩き出す


幹線道路の交通量はまばらで
人影はもちろんなく

世界が動いている気配はするというのに
自分たち以外はすべてが眠っているかのようだ


30分は歩いたころに
ようやくタワーの入り口に到着する

付近はクリスマスのイルミネーションで飾られていて
カップルというよりも家族連れが多く賑やかだ


「綺麗だねぇ。タワー、まるでARみたいだ。」

「女の子がさ。こういう場所でそういうこと言うんだ。」

「なに?"うわー。すごーい。キレーイ。"とか言えばいいの?」

「ごめん。今、ちょっとむかついたわ(笑)」

「だってさ。ほら。すごく嘘っぽい綺麗さじゃない?」


想像していたよりもはるかに大きくて
青と白の光に包まれて今にも迫ってきそうな迫力だ

チケットを買ってスケルトンのエレベータに乗り込む

中では珍しくエレベータガールが案内をしていて
今日だけで何度言ったかしれない説明が終わったと同時に展望フロアに到着した

遅い時間だからかそこまで混んでおらず
運良く特等席らしいソファに座ることができた


なんだか言葉数が少なくなってきた


微かに流れるジャズと

目の前に広がる夜景と

右手に繋がれた感触と


あと足りないものは

美味しいお酒くらいだと思った。
 
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# by nobiko9 | 2011-01-08 19:07 | 恋愛スル
2010年 12月 27日
ある日の。
 
すごく

声が聞きたいなぁと思ってるんだけど、
今日は難しいかな。。



そうだね。
ごめん。返事遅くなっちまった。

よかったら明日か明後日の夜にでも。



いや、なんかごめん。

明日になったらきっと大丈夫だから。
おやすみ。



謝ることないよ。

ただ、声だけ ってのはちょっとダメなんだ。



電話、苦手なの知らなかったや。

今度からメールかチャットにするね。。



ニガテというか、
声、聞けばさ、
触れられないもどかしさってのが強くなっちまうわけですよ。

いや、実はニガテなのかもしれないけどね



何も連絡しないでいても

次に会う時まで同じ気持ちでいてくれるか

すごく不安なる時があって、どうしていいいか分からなくなる。



タブン、同じ気持ちじゃないかもね。
人の心は変わっていくものだから。

ただ、今のこの気持ちは
逢えない日々の中で
薄れていくんじゃなくて、
じわり、じわりと
発酵・熟成されている感じ

だから大丈夫。

 
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# by nobiko9 | 2010-12-27 13:00 | 恋愛スル