2008年 10月 01日
恋に落ちる。Part5
 
お台場のように行列があるわけでもなく
その観覧車は駐車場の隣にひっそりと、けれどどっしりと聳え立っていた

それぞれにチケットを買って階段を上る


  「記念に写真いかがですか~?」

  「いえ。結構です♪」


写真が嫌いな私はきっぱりとあっさりと笑顔で言った


  「ちょ。あっさりしすぎ(笑)」

  「だってさ。あんなとこで写真撮ってもらってお金払うとかないわ。
   それこそ綺麗な景色をバックに構成とかバッチリだったらまだ分かるけど。」


そう言って観覧車に乗り込む
後から入った私は一瞬迷って彼の隣に座る


  「だいたいさ。写真、あんまり好きじゃないんだよね。
   付き合ってる時もほとんど撮ったことないや。」

  「そうなんだ。俺、女の子はみんな写真とかプリクラ好きなのかと思ってた。」

  「男の人で嫌いな人多いでしょ?それを押してまで撮る気しないし。
   それに別れた後にそういうの残ってるのもちょっと困るじゃん。」

  「ほんとにさー。そういうとこ、とことんネガティブだよね(笑)」

  「そう、かな(笑)」


1/4ほど上ってくる
日本最大級なんて言ってるだけあってやっぱり高い

窓の外では落ちかけている夕日が
海と空と街をオレンジ色に染め上げていた


  「きれー。」

  「ほんと、晴れてよかったね。」

  「ここ最近、かなり一緒にいるじゃん?
   何か綺麗なものいっぱい見てる気がする。」

  「それは良かった。俺もドライブとか水族館とか観覧車とか
   全部初めてだけど、すげー楽しい。つか今の車の助手席
   乗ったことある女の子ってのびだけだから。」

  「まじで?それ、すごいレアだねー。」

  「あのね。前も言ったけど、のびとは初めてのことばっかだよ。」


だめだ
そういうこと言われると顔がにやけて止まらない


  「もう少しで一番上じゃない?」

  「てかさ。意外に高いよね。これで止まったらウケルね。」

  「そういうこと言わないでよー。ちょっと怖くなってくんじゃん。」

  「あれ?なんか手に力、入ってない?(笑)」

  「もういいー。」


そんなことを言ってふざけていた
そしてゴンドラが一番上にきた時



   ガタン



突然、観覧車が止まった。
 
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by nobiko9 | 2008-10-01 11:58 | 恋愛スル


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