2008年 08月 23日
黙々とダーツをするか 仲の良い常連と馬鹿な話をするか しかしそれはどちらも叶わなかった 店は珍しく混んでいてダーツなんてできる状況じゃなかったし そのせいで唯一空いていたのはカウンター隅の知らない人の隣だった 「のびちゃん!うおーい、いらっしゃーい。何にする?」 「うーん。ジンバック、辛口ジンジャーで。」 「珍しい。お酒だ?」 「たまにはねー。」 飲めない私にとって こういう時のためにお酒があるのだと思う 大丈夫 カクテル1杯じゃ酔っ払いにはならない 何となく携帯を覗いたり ぼんやりと店内を見渡したり 空いている隙を狙って軽くダーツを投げたり そうこうしている間にお客さんが大分引いていき スタッフに促されて席を移動した 左隣にはいつも顔を見る常連さんが座っていて その彼は私がこのお店に通い始めた頃から知っている人で たまにはダーツでダブルスをやったりするけど こうやって1対1で話すのは初めてかもしれないと 京都出張の愚痴などを言いながら思っていた 調子に乗った私はついさっきの駅での出来事を口にした 「実はさ、さっき。駅で昔付き合ってた人にバッタリ会ったんだ。」 「まじで?!」 「うん。数年ぶりだった~。びっくりした~(笑)」 「そんなことあるんだね~。」 「学生時代に4年半付き合ってて、その後グダグダしてて 結局8年くらいの付き合いだったのかな。」 「中学、から?」 「ううん。中学卒業してからすぐ。なんかちょっと太ってた、かな(笑)」 彼はすでに結構飲んでいたらしく 普通に見えるようでも実は酔っ払っていたのかもしれない 普段なら絶対に話さないような前の彼女の話や その彼女と別れた後のゴタゴタを話してくれた さっきまで感じていた正体不明の感情がどんどん薄れていく 今私の隣にいるのが、何の事情も知らず、私にも興味がなく それでも笑って話をしてくれるこの人で本当に良かったと思う 「なんか飲もっかなー。何にしよっかなー。」 「いいよ、おごるよ?1杯くらい。」 「ほんと?それじゃ・・・ マリブコークいただいてもよろしいでしょうか?(笑)」 「はい、どうぞ(笑)」 大丈夫 カクテル2杯じゃそこまで酔っ払いにはならない
by nobiko9
| 2008-08-23 05:24
| 恋愛スル
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