2008年 08月 20日
彼に会う。Part2
 
別れた男と友達になるかという議論は永遠にあると思うが
私は今まで彼らと友達になっていたような気になっていた

ただそんな記憶は別れてすぐのものにすぎなくて
改めて思い返してみると豆も米もこあらもアイスも雅さんも

誰一人として友達のように連絡を取っている人間はいなかった
というより連絡先を知っているのは米くらいのものだった


豆とどうやって別れたのか思い出せない

最後に何て言葉を交わしたのかすら記憶にない


あれだけ濃密な時間を過ごした人と
あれだけ好きになった人との思い出がそうなってしまうなんて

だから私は自分のことが信じられないと思うんだ


  「・・・っ、久しぶり」


そんな私の思考なんて知る由もなく
豆は心底驚いたような顔でそう言った


  「ひさしぶり。ほんと・・・、久しぶりだね。びっくりした。」

  「誰かと思った。のびは・・・仕事の帰り?」

  「うん。でも今日は友達とご飯食べてたから。」

  「そっか。」

  「てか、どうしたの?ここで会うとは思わなかった。」

  「5月にさ、引っ越してきたんだよね。あの通りの酒屋のあたり。」

  「ほんと?すごい近いじゃん。」



  それから どこへ行くにも
  着かざってたのに

  どうしてなの 今日にかぎって
  安いサンダルを はいてた



ふいに友達が昔カラオケで歌っていた
松任谷由実のDESTINYという曲が頭の中に流れた

そういう意味で今日の私は完璧だった

短めのワンピースに黒のミュール
ピアスをして化粧をしてグロスまで塗っていた

最近一番のお気に入りのスタイルだ


豆とやり直したい気持ちなど微塵もない

それでも昔別れた男から
「しょぼい女になった」と思われるのは癪だった

それが単なる見栄だというは十分に分かっている


そんな自分の姿に安心して気持ちが落ち着いた私は
改めて豆をゆっくり見る余裕ができた

彼は、やっぱり少し太ったみたいだ


  「豆は仕事?スーツはもう着てないんだ?」

  「あぁ。仕事は前と変わってないけど、もうスーツじゃなくなったんだよね。」

  「そっかぁ。少しお腹出てきたんじゃない?(笑)」

  「そう?・・・やっぱり?(笑)」


笑いながら駅前で立ち話をして
なんだかものすごく不思議な気分になった
 
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by nobiko9 | 2008-08-20 20:17 | 恋愛スル


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