2008年 03月 11日
言葉の効用 part2
 
仕事が終わると同時に彼の待つカフェに向かう
足取りが軽いかは不明だが、ひとまず急いで向かう

カフェオレを持って2階に上がる
なぜか盛大にこぼしてイライラを募らせる自分がいる

階段を上りきって見回すと、端のソファに彼が座っていて
目が合うと笑いながら軽く手を上げていた


  「おう。」

  「おまたせ。」


奥に顔見知りがいるらしく、笑いながら小声で話し出す


  「おまえな、いくらなんでもあのメールはないぞ。」

  「そう?だってあれ以上、なんて返していいのか分からないし。
   私に可愛げ求めるのが間違ってるんじゃないの?」

  「だいたい俺があのまま何も返さなかったらどうするんだよ。」

  「へー。あの程度で終わるようなものだったんだ(笑)」

  「だいたい昨日だって一日、のびからのメール待ってたのにな。」

  「私だって待ってたよ。でも何も連絡ないから今日メールしたでしょ。
   ちゃんと会いたいと思ったから。」

  「俺だってこうやって会いにきてるじゃん。」


相手にそんな感情なんか持ってないくせに
相手よりも自分のほうが好きな感情を持ってると思わせて

さらに自分はこれだけの愛情表現をしていると
示すことが大人だと思っている

負けたくないし、勝ちたくない
なんてめんどくさい二人なんだ


  「時間大丈夫なの?会社戻るんでしょ?」

  「うーん。そうなんだけど。会うと離れたくなくなるな。」

  「はいはい。24時まででいいから今度にしようよ。
   どうせ年度末忙しいんだし、今こうやって時間空けてくれただけで嬉しいから。」


どうして好きでもない男には

いい女を演じることができて、余裕が持てて
相手が喜ぶ言葉を素直に口にすることができるんだろう


違う
好きでもない男だから、こういう嘘くさいことができるんだ


今まで好きになった男に言って欲しかった言葉を彼はくれるけど
彼からそんな言葉をもらっても何の感情も生まれない

甘く優しい言葉はそれだけで嘘なんじゃないかと思う
それなら「他に好きな女ができた」と言われるほうが現実を感じる時がある

彼だって、嘘をついているわけじゃないけど
本当のことを言ってるはずもない

単純にこういう関係を楽しみたいだけだ
まるで高校生みたいだ


それを純粋に楽しめるほど恋愛に飢えているわけじゃない
それを拒否できるほど寂しくないわけじゃない


言霊という現象は絶対にあって
体内から言葉として何かを外に出す行為は

思い込ませたり納得させたり
諦めたり鼓舞したり騙したりする


もちろん、自分自身を


ある意味、楽になれるんだ

そして言ってしまえば自分を慰めることができる
よく頑張ったねと褒めてあげられるかもしれない


単に気持ちを言葉にしないことが美徳だとは思わない

でも

これを言った自分は他人からこう見えるだろうと
そういう無意識の計算が働いて紡がれる言葉は可哀想だ


私達はそんな可哀想なことをしながら
いったい何を手に入れたいんだろう
 
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by nobiko9 | 2008-03-11 16:54 | 恋愛スル


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