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2008年 01月 30日
梅とボードに行く。Part3
 
パーキングでしばしの休憩
私が助手席に座ってぼんやりとしてると梅が戻ってきた。

外で寒そうに煙草を吸っているサキさんを目で追いながら
私は梅に話しかけた。


  「サキさんて年齢不詳だね。私より下って言われても
   8つくらい上って言われても、どちらも納得しちゃいそう。」

  「いやいや。案外かなり上だったと思うよ。」


煙草の煙がサキさんの周りでくるくるしている。
サキさんも寒さでふらふらと揺れている。


  「そういえば。まだ何となく禁煙してる。」

  「当たり前だろ(笑)」


出発。

気が向いたら梅と話し
それでも紅葉の時よりは、数十倍ある会話量だった。

テンションは少し上げていった。
キャラも、若干作り気味でいった。

梅は騙せなくてもサキさんが楽しく過ごせれば成功だと思った。

事実、メインで話しているのはサキさんと私だが
沈黙はほとんどなく、和やかな雰囲気のまま時間が過ぎた。


彼女はボードが大好きで、それは一人で海外に滑りに行ってしまうくらいで
そしておそらく、そこらの男性には劣らないくらい上手いようだった。

気を使いつつも、ちゃきちゃきと話をする様子に
とても好感が持てた。


そんな気持ちで彼女と話をしながらも

猛スピードで追い越していく車と
ゆっくりと後ろに流れていく景色と

そして私の視界に入っているのは相変わらず梅の手だった。

ダーツのフォロースルーで真っ直ぐに差し出される手や
クライミングでちょっと深爪の指がチョークにまみれている手や

だけど私は運転している時の手が一番好きだった。


一緒に車に乗ったことなど
数えるほどしかないのに

そう思えてしまうのが可笑しかった。


数時間車を飛ばして、高速を降りてしばらく県道を進む。
途中、朝ごはんを買うためにコンビニに立ち寄る。


  「あ。お湯あるから。」

  「へ?おゆ?」

  「そ。沸かすから。使うようなの選んでも大丈夫。」

  「わー。味噌汁とか飲みたくなるかな。
   てか。早く言ってよ!おにぎりとパン選んじゃったじゃんかー(笑)」


あぁ。なんか。
とりあえず私の方向性は伝わったような気がする。

そうそう。
昔はこうやってぎゃーぎゃー言ってたよ。

それこそ。
あなたが望むなら。


私が言ってしまったあの言葉
二人の間でなかったことにだってできるんだ。
 

by nobiko9 | 2008-01-30 11:48 | 恋愛スル


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