2007年 11月 13日
梅と紅葉を見に行く。Part4
 
イタリア大使館の別荘はまだ開いていなかったが
公園になっている建物の周りをゆっくりと散歩する。

その間に見かけたのは女性1人と60代くらいのカップル1組。
有名な観光スポットでも、平日の早朝はさすがに人がいない。


ボートが横付けできるようなデッキに出る。
背伸びをして、大きく息を吸い込んだ。

色づいた葉が湖に覆いかぶさるようにせり出ている。
湖面には何枚もの落ち葉が波間に漂っている。

見渡す限りの景色が
私たちのためだけに用意されているようだ。

デッキに体育座りをしてぼーっとその景色を眺めながら
時折、思い出したようにカメラのシャッターを切った。


しばらくそうしていると
近くから人の話し声が聞こえてきた。

後ろを振り返ると
50代くらいの夫婦がこちらに向かって歩いてきていた。

目が合って
思わず「こんにちは」と言ってしまった。

それがきっかけとなって
デッキの上で4人で話し出す。


海外でも日本でも変わらない。
旅先で出会う人と他愛もない話をするのは好きだ。

その夫婦は何度か来ているらしく、女性は
「もうちょっと早かったほうがよかったかしらねー。
 週末はちょっと散ってしまっているかも」と言っていた。

そして、山の上にある展望台が素晴らしかったと聞いて
早速行ってみることにした。


一つ目の展望台からは中禅寺湖や男体山が
さらに上の展望台は周りの山々を一望できるポイントだった。

当たり前に空が広く
彼方遠くまで稜線が幾重にも重なっている。

赤よりも黄色やオレンジが強く
山全体が金色に輝いているようだった。

境界が曖昧であわあわと掴み所の無いその景色は
まるで夏の終わりにやった線香花火みたいだ。


頭の中ではそんな脈絡のない言葉が
浮かんでは消えていった。

普通の友達と来ていたならきっと
何も考えないままその思考を言葉にしている。


でも梅には。
なぜだかは分からないけど

もっと綺麗な
感情や表現が鮮やかな言葉で伝えたいといつも思う。

出来る限り思考にぴったりとくる言葉を使いたい。


伝えたいけど
無闇な言葉を使って誤解されるくらいなら何も言いたくない。

100%が不可能だというのは分かっている。

それでも
その努力をしていかない限り

どんどんと線が曖昧な人間になっていく気がしてならない。


だから私は彼の前で
普段よりも無口になるのかもしれない。


時間は9時を回っていた。
私達は遊覧船に乗るため、展望台を後にした。
 
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by nobiko9 | 2007-11-13 10:23 | 恋愛スル


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