2007年 11月 11日
梅と紅葉を見に行く。Part3
 
明智平から中禅寺湖まではすぐ。

雨は降っていないが
今にも降ってきそうな嫌な天気だ。

薄曇りの中で見る湖と紅葉は
寒さを倍増させる。

実際、東京よりも気温が低いのだろう。
赤いマフラーを巻き直す。


  「もう朝食全部食った?」

  「さっきコンビニで買ったやつは食べちゃったけど
   家から持ってきたパンはまだあるよ?」

  「俺は湖を見ながら朝ごはん食べるが。」

  「一緒に食べるー。」


私が車からパンを取り出している間
梅はリュックを持って歩いていく。

畔にあるベンチに座る。
と、そこには。

大きめの水筒、大小二つのステンレスのカップ
それにインスタントコーヒーと紅茶のパックが並んでいた。


  「コーヒーと紅茶、どちらでも好きなほう。」

  「まじで?!嬉しいー。ありがとう。いただきまーす。」


お気に入りの美味しいパンと熱々のコーヒーを片手に
人のいない紅葉に染まる湖を見る。

なんて贅沢な時間なんだろう。


  「このコーヒー、すごく美味しい。
   そっか。いつも雪山に持って行ってるんだもんね。」

  「いや、水筒は昨日買った。雪山で飲むのは1回だけだから
   いつもコンロで沸かしてる。今日は何回か飲むかと思って。」

  「えっ、そうなんだ。えらいー。
   ほんとにありがとね。」


ほんとにちょっと。
それはカッコ良過ぎだ。

そういう発想ができる能力が私にはないから
少し羨ましくもあった。


しばらくのんびりとコーヒーを飲んでそれから
近くにあるイタリア大使館の別荘公園までお散歩することにした。

湖の周りにある無料駐車場には
まだほとんど車が停まっておらず

もちろん歩いている人もいなかった。


右手に中禅寺湖を眺めながら
黄色に染まった歩道を進む。

時折通る車の音を除けば
水の音と、風の音と、私達が歩く落ち葉の音だけだった。


写真を撮る私は
常に数歩送れて梅の後を追う。

彼は少し待っていてくれて
私は追いついて、そしてまた待っていてくれる。


梅の後ろ姿を追いかけながら

こういうことができたら理想なのかもしれないな、と
漠然と思った。
 
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by nobiko9 | 2007-11-11 09:45 | 恋愛スル


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