2007年 11月 09日
梅と紅葉を見に行く。Part2
 
高速を降りた頃から道路は紅葉仕様

全体的に黄色く染まっている風景は
穏やかで緩やかで温かい。

時折、両側に植えられた木々の中に
真っ赤に色づく一群を見てドキリとする。


いろは坂に差し掛かってきた。
辺りには車の陰すら見えない。


  「いろはにほへとちりぬる。
   うーん。これくらいしか覚えてないなぁ。」

  「そこまで言ったなら「を」まで言えよ(笑)
   って俺もそこまでしか知らないけど。」

  「え?ちりぬるを、なんだ。初めて知った・・・。
   とりあえず47箇所くらい坂があるってことでしょ?」


そんな馬鹿な会話をしながら
時速20kmくらいでのろのろと坂を上る。


  「なんか優雅だね。うちらだけの景色みたい。」

  「そーだな。これが渋滞してたらと思うと、な・・・」

  「無理矢理20kmと自主的に20kmじゃ全然違うよねー。
   ほんとに素敵。」


途中、数台の車が私達を追い越していく。


  「何をそんなに急いでるんだろね。」

  「こんなに綺麗なのにな。」


あたりは一面色づいていて本当に見頃だった。
色の中をゆっくりと上り、明智平まできた。

休日にはいっぱいになるであろう駐車場も
平日の早朝は停め放題だ。

車を降りて、思い思いに見て周る。

向こうに見えるのは華厳の滝だろうか。
あっちにそびえているのが男体山だろうか。

むーん。”紅葉特集”とか書かれてる
雑誌でも持ってくればよかったのか・・・。

と、梅がロープウェー乗り場を覗いている。


  「さすがにまだやってないっしょ。」

  「こっち行けるかな。」


そう言ってフェンスを見やる。


  「怪しいなぁ。あ、でもこっから行けるよ?」


大人になってもこういう感覚ってまだある。

散歩をしていて「こっちに路地には何があるんだろう」とか
普段通らない道をあえて選んで迷ってみたりとか

きっと、小学校の先生には怒られてしまうんだろうけど
二人は低いガードレールをまたいで奥に進んだ。

建物の右側から回りこむように歩いていく。
後ろにはやはり、上ってきたばかりの森が広がっていた。


  「うわー。さすがに誰もいない。
   って、先客がいるよ・・・。」

  「ちげーよ。よく見てみ?(笑)」


小高い丘になっているてっぺんに座っているように見えた女性は
赤い服を着させられたお地蔵様だった。

人はいっぱいいるのに誰にも見つけられないお地蔵様。

それは寂しいのだろうか、と考えながら
建物の裏側から私は空を見ていた。


  「・・・何色っていうんだろ」

  「え?」

  「あぁ、いやさ。ああいう空の色って何色っていうのかなと思って。
   オレンジのようなピンクのような、とろけてる色。」


朝からずっと
空ばかり見ている。

そうやってしばらく
二人並んで空の色を見ていた。



いろは歌】(Wikipediaから抜粋)
ひらがなでの表記
  いろはにほへと ちりぬるを
  わかよたれそ つねならむ
  うゐのおくやま けふこえて
  あさきゆめみし ゑひもせす

歌謡の読み方
  色は匂へど 散りぬるを
  我が世誰ぞ 常ならむ
  有為の奥山 今日越えて
  浅き夢見じ 酔ひもせず
 
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by nobiko9 | 2007-11-09 13:30 | 恋愛スル


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