2007年 09月 22日
線香花火。part2
  
友達の騒ぐ声と波の音が遠くで重なる。

パチパチっと音を立てていた線香花火がその役割を終え
あいつの手の中で小さくなっていく。


もし。

もし今、俺が好きだって言ったら
こいつはどんな顔するんだろうか。


  「私さ・・・。」

  「ん?」


動揺が声に出ないように問い返す。
あいつは目を伏せたまま話し出す。


  「私さ。彼のこと、好きなんだ。」

  「・・・・・・。」

  「告白しようと思ってる。でも、やっぱり怖くて。」

  「・・・・・・。」

  「どう思う?女の子からの告白って重いかな?」

  「いや・・・。重いってことはないと思うけど・・・。」

  「今が楽しいからこのままでいいかなって思ってたんだけどね。
   彼に好きな人がいるって聞いてさ。」


「奴の好きな人っておまえなんだよ。」と心の中で呟く。

脳の一部分だけが痺れたように動かなくなった。

奴がおまえのこと好きで
おまえも奴のこと好きで

俺、どうしようもないじゃん。


  「ダメでもちゃんと気持ちは伝えたいし。
   好きになれたことを後悔したくないっていうか。」

  「・・・・・・。」

  「でもさ。告白したら気まずくて、
   今の楽しい時間が終わっちゃいそうで。
   ねぇ?自分だったらどうする?」

  「・・・・・・。」

  「ちょっと~。なんか言ってよ~。頑張れ!とかさ。
   これでも悩んで眠れない日だってあるんだよ。」

  「・・・・・・。」

  「だ~か~ら~。」

  「・・・・・・・・・・・・だろ。」

  「え?なに?」

  「だから。言える訳ないだろ!
   俺はお前が好きなのに”頑張れ”なんて。
   そんなの言える訳ないだろ!!」


無邪気に俺に相談してくるあいつに、無性に腹が立った。
そんな顔を、奴のことで浮かされている顔を、俺の前で見せてるあいつに。

切れたついでに、告白してしまった。


あんなに考えても出てこなかった言葉が
すんなりと口をついた。

「好きだ」なんて
案外簡単に言える言葉だった。
  
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by nobiko9 | 2007-09-22 00:03 | 恋愛スル


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