2007年 07月 29日
豆との付き合い。part12
 
私は会社を辞めることを決めた
誰にも相談することなく決めた。

辞めた理由は豆とはまったく関係なかったが
これは人生における転機に違いなかった。


ここで変わらなかったら
いつまでたってもこのままだと思った。

今、やりたいことをやらなかったら
永遠にやらないような気がした。


会社を辞めた翌月からイタリアに2週間行くことを決めた。
帰ってきた翌週から、3ヶ月留学することを決めた。

留学や英会話学校についての資料を集め
ホームステイ先や費用の計画を立て、航空券を手配した。


大きな転機なんて
人生の中で数えるほどしかなくて

そのほとんどが入学か就職で
自分でできることなど、ほとんどない。

自分で決めたような気になっているだけで
きっと、その迷いや選択肢すら用意されたものにすぎない。


誰かに決められたり
何かに流されたりするのはもう十分だった。


豆のことだけは
私自身の手で終わらせなければならなかった。


別れる理由は何もなかったけど
それ以上に、付き合う理由なんて見当たらなかった。


豆もきっと。
この関係の終わりが近いことに
ずっと気付かないふりをしていたんだろう。

いつものように会って
いつものように車の中で話していた。


今さら。
「別れよう」だなんて笑ってしまう。
私たちは曖昧に漂っていただけだ。

だから。少しくらいの嘘は。
神様も見逃してくれるだろうと思った。


  「会社辞める。来月から1年くらい海外に行く。」

  「そっか。いつ帰ってくるの?」

  「わかんない。しばらく向こうにいるかもしれない。」

  「・・・・・・そっか。」


それが私たちが交わした最後の言葉だった。

10年以上続いた関係が
終わった瞬間だった。
 
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by nobiko9 | 2007-07-29 14:50 | 恋愛スル


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