2007年 07月 26日
豆との付き合い。part10
 
嬉しくなかったと言えば嘘になるが
「付き合う」ことは私の選択肢の中になかった。

高校生の頃とは違って
少しは将来のことも考えるようになって。

豆と一緒にいることはとても楽だったけど
この人から何か新しいものを得ることは
もう何も無いのだと頭の隅で思っていた。

豆の人間関係や思考は相変わらず狭く、いい意味でも悪い意味でも
付き合った当初からほとんど変わっていなかった。


その時の感情を
今でもはっきりと思い出すことができる。


もう二度とこの人を好きになることはない。

でも同時に。

これほど私を愛してくれる人を手放したくない。


人間て。
どうしてあれほど残酷になれるんだろう。

私は豆に言った。


  私も豆のことがとても好きだよ。
  でも、ここですんなり付き合ったら
  自分がものすごく駄目な人間になっちゃう。
  豆に甘えたまま、自分ひとりで立てなくなる。

  それにきっと今は。
  豆が私のことを好きなほど
  私は気持ちを返してあげられない。

  こんな状態で豆と付き合うのは失礼だと思う。


嘘ではない。
でも決して、真実でもない。
こんな綺麗な感情だけであるはずがなかった。

豆はそれでもいいと言った。
傍にいて支えてくれると言った。
俺に甘えるのの何がいけないんだと。

私はものすごく冷めた頭で考えていた。


なんで。
この人は分かってくれないんだろう。

まさか。
私がした仕打ちを忘れてしまったのだろうか。

いったい。
こんな私の何がいいっていうんだろう。

いつになったら。
私が酷い奴だってことに気付くんだろう。


それからかもしれない。
無条件で人に好かれると拒否反応が出て
相手の気持ちを疑って酷いことがしたくなるのは。

私はそんな価値のある人間じゃない。
どうしておまえは早くそれに気付かないのか。

好意を寄せられれば寄せられるほど
薄っぺらい自分が嫌になって、それを感じさせる相手を遠ざけたくなる。

自分に自信が持てないからこそ
他人に好かれることが理解できない。

それが豆の思い込みでも意地だったとしても
私はきっと心のどこかで、豆の気持ちが怖かった
 
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by nobiko9 | 2007-07-26 15:46 | 恋愛スル


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