2007年 04月 15日
家に行く。Part2
 
腕枕をしてもらいながら彼のを見る。


  「なーに?」


着痩せする彼の腕はがっしりとしていて
そんなに身長が高いわけでもないのに
くるまってる感じがして安心する。

髭を触りながら答える。


  「んー。いつからだろうって考えてた。」

  「いつ傾いたかって?」

  「うん。こんな風になったことないんだけどな。」

  「水曜日?」

  「もしかしたら最初からかもしれない。」


そう。
話をするたびに惹かれていった。

言葉や仕草に優しさが感じられて
でもそれが無理をしてるふうではなくて。

既婚者に見えるくらいの落ち着きがあって。
でも8歳年下の私を笑わせてくれる馬鹿をやってくれて。

自信家に見えるけどいろいろ考えてへこんでそうで
そういうところがちょっとアンバランスで傍にいたくなる。

ほんとに久しぶりに
こみあげた。


翌朝。

少しうとうとしたものの
ベッドに入ってから数時間で目が覚める。

あまり寝付けないと言っていた彼は
隣でぐっすりと眠っている。

昨日「用事がないなら、日曜日にゆっくりできると思ったのに」
と言われたけれど、ドタキャンできない用事のある私。

静かにベッドを出てシャワーを浴びて
服を着て帰り支度をする。

寝顔を見ていると
なんだか幼くてかわいい。

抱きしめたくなったけど
頬に軽くキスをする。


  「うーん・・・。」

  「ごめん。起こしちゃったね。帰ります。」

  「ねむいー。」

  「うん。おやすみ。」


さすがに黙って帰ったら感じ悪かったよなぁと思いながら
ゆっくりと扉を閉めて、玄関で靴を履く。


ガタンガタン。


部屋から大きな音が聞こえて
寝ぼけた彼が出てきた。


  「ごめん。えーっと・・・。駅まで道、分かる?」

  「うん。大丈夫だよ。一人で帰れるから。」


顔を見たら名残惜しくなって
もう一度キスをした。


  「またね。バイバイ。」


見知らぬ街を一人で歩く。

外はすっかり明るくなっていて。
昨日通った道なんてまったく覚えていない。


  「あーーー。」


なんだか何かを確認したくて
一人で声を出してみた。

幸せに慣れていない人間ていうのは
自分に自信がなくて、幸せになる資格がないと思っている。

いつこの状態が壊されるのか。
幸せは不安への通り道でしかない。

どうせなくなるのなら
いつなくなるのかという不安に縛られるくらいなら

いっそ自分から壊してしまったほうが安心する。
あぁ、やっぱりねって納得できる。

酷いことを言って、可愛げのないことをやって
早く嫌われたら楽になれるのにと思う。


なんで私。
一番幸せだろう日に

こんなこと考えてるんだろ。


付き合ってもないのに
終わることを考えてる。

ひとつため息をついて
また歩き出した。
 
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by nobiko9 | 2007-04-15 00:56 | 恋愛スル


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