2007年 04月 12日
デートする。Part2
 
少し早めに待ち合わせをしていたので
映画には余裕で間に合う

なんとなく決めた恋愛映画は
思いのほか面白くて

見終わった後に自然と感想を言い合う。


  「面白かったけど、いろいろ思い出すことが多くて痛かった。」

  「俺も。男目線で見てたけど”あーあるある、やっちゃうよなぁ”
   って思う場面がけっこうあった。」


こういうシチュエーションでは理解できる、とか
あいつの行動はやっぱりないよなぁ、とか
あー、分かってるけど、でもこういうことしちゃうよねー、とか

彼がどういう恋愛をしてきたのか
あるいは、どういう恋愛をしたいと思ってるのか

少しは理解できた気がした。

そしてやっぱり。
この人とは合う、という思いが一層強くなった。


私の買い物に付き合ってもらって
早めの夕飯を食べて、ぶらぶらとしていた。


  「ちょっとここ、見てもいいかな?」


彼が言って立ち止まったのはトイザらスの前。

そうは全く見えないが
ヒキコモリのオタクを自称する彼は
こういうのが大好きらしい。

そんなに混んでいない店内で
おもちゃを見て、子供の頃の話をしながら歩く。

俺はガンダムのこの時代が好きだ、とか
私は人形遊びなんかしなかったなぁ、とか

何人兄弟で、とか
駄菓子屋に寄り道をした、とか

ふと。考える様子の彼が言う。


  「そういえばさ。下の名前、何ていうの?」

  「え?言ってなかったっけ??」

  「うん。聞いてない。」

  「うける(笑)なんか今さらだねー。のびこです。よろしく。」

  「のびちゃんか。」


会社では当然、苗字しか呼ばなかったし
思い返せば最初にメールした時もフルネームは書かなかった。

そんなことを話しながら店内を一周する。

ガンプラを見て、DSのソフトコーナーを抜け、レジに差し掛かった時
出口近くのショーケースにあるプラネタリウムセットに目が留まった。


  「そんなに頻繁に行くわけじゃないけど
   私、プラネタリウム好きなんだよね。
   日本橋でやってるやつも見に行ってみたいんだ。」

  「へーそうなんだ。今度行こうよ?俺も好きだよ。」

  「ほんと?行こう行こう。
   男の人で好きだって言ってくれる人、なかなかいないよ。」

  「そーう?ここの上にもあるじゃん。まだやってるかな。」

  「ちょっと行ってみる?」


エレベータで屋上にあがる。

チケット売り場まで行ってみると
ちょうど最後の回が始まるところだった。

急いでチケットを買って
しんと静まりかえっている通路を歩く。

部屋の中はアロマが焚かれていて、ほのかにいい香りがする。

真っ暗な中、頭上には満点の星空が広がり
癒しの音楽がかかる。

しばらくして。耳元で彼が囁く。


  「やばい。俺、寝そうなんだけど。この音楽、反則。」

  「うん。私も落ちかけた・・・。」


ほんとに気持ちが良くて、ふわふわとして
自分がどこにいるのか分からなくなりそうだ。


が。強く現実に戻された。


私の左手が彼の右手の中にある。

プラネタリウムの暗闇の中で初めて手を繋ぐなんて
ほんとに中学生みたいだ。


彼の手は大きくて、熱を持ったように熱かった。

私はぴくりとも動くことができずに
ただ掌から、彼の体温を感じていた
 
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by nobiko9 | 2007-04-12 07:38 | 恋愛スル


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