2007年 04月 08日
ランチデート。Part1
 
電車が止まった
トラブルが起きたみたいだ。

と。握り締めていた電話が震える。


  お疲れさん!マジで?
  寂しいね~、ってこっちなんか4月は俺だけだけどね。
  昼は?もういったん?

  まだだよー。よかったら一緒しません?

  いいよ~。ちと待って、すぐ連絡します!


これはきっと神様も味方してるに違いない。

急いで電車を降りて地下鉄に乗り換える。
彼の仕事場はここから1駅のところだ。

休んだとは言っていないから
普通に会社に出ていると思われているはず。

駅を降りて走る、走る、走る。
こんなに一生懸命走ったのはいつぶりだろう。

階段を上りながら息を整えて
何食わぬ顔をして待ち合わせの場所まで歩く。


  「なんか今日。ものすごくカジュアルじゃない?」

  「実は。用があって会社休んだんだよね。
   誰かに会いそうでちょっと怖い。内緒だよ?(笑)」

  「はは。そうなんだ。こっち側はあんまり
   会社の人も来ないから大丈夫じゃない?」

  「うん。て、あれ・・・?なんか声、おかしくない?」

  「実は週末に風邪ひいてさ。
   月曜は午前で帰って、昨日は休んだんだよね。」


それを聞いて。
なんだかものすごくほっとしてしまった。

だって。
連絡がなかったのはその為だったかもしれないからだ。


天気が良くて風が気持ちいい。

二人でゆっくりと歩きながら
こじんまりとしたパスタ屋に入る。

席につくと私は。いつものようにカメラを取り出す。


  「何、使ってるの?」


彼が私のカメラを手に取る。

そういえば今は手放したけど
昔はライカで写真をやっていたと言ってたっけ。

カメラの話をしながら写真撮ったりして

彼は明太子スパゲティーを
私は蛸のアラビアータを頼んだ。

明太子が先にきて
食べ始める前に彼が言う。



  「一口、食べる?」

  「えぇ?いいよ。」

  「なんで?明太子、嫌い?」

  「いや。だって本人食べる前に私が食べるのは気がひける。」

  「いいよいいよ(笑)」


きっと。
自分が箸をつけてから女性に食べ物を勧めるようなことを
したくないんだと思って一口もらう。

この人といると
そういう気遣いに気付くことが多い。

ものすごく自信家で、はっきりモノを言いそうなのに
おそらく仕事ではそういうキャラクターを作っているんだろうけど

相手のことをよく見ているし
考えてくれる気がする。


  「どっか。お茶でもする?」

  「うん。いこっか。」


お会計をしようと二人で席を立ち上がるも
私がジャケットを着ている間に支払いを済ませてしまう。

店の外でお金を渡そうとすると
案の定、受け取ってくれない。


  「じゃあ。お茶はおごらせてね。」


そう言って歩き出す
 
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by nobiko9 | 2007-04-08 10:35 | 恋愛スル


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