2011年 01月 20日
それまでの時間と距離を補うかのように 一分の隙もないくらいぴったりと寄り添って 後から後から愛しいと思う気持ちが膨らんで 肩も鎖骨も腰も指先も お互い競うように確かめあった 朝になって 帰らなければならない時間が少しずつ近づいてきて ご飯を食べる姿も 私に向けられる笑顔も すべて持って帰ることができなくて悲しくなった 彼は当然のように見送りにきてくれて ギリギリの時間までベンチに座って 手を繋ぎながらどうしたら時間が止めることができるのか考えて 何も言えなくなって やっぱり時間は止まらなかった 「ずっと、手繋いだまんまだね。」 「・・・貯めとく」 「ん?」 「次会う時まで手繋げないから、その分。貯めとく。」 「うん。」 そう言って私は意を決して立ち上がったのに 彼は座ったままで私を見上げている 少し屈んでキスをして そのまま彼を抱きしめる 彼の匂いに包まれて 私は耳元でずっと言わなかったことを伝えた 「大好きだよ。」
by nobiko9
| 2011-01-20 13:26
| 恋愛スル
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