2011年 01月 08日
初めてのデート。part7
 
夜の商店街を抜けて

街のシンボル的なタワーに向かって歩き出す


もちろん
手は繋いだままだ


「ねぇ?」

「ん?」

「バス乗ろうよ。結構距離あるし。。」

「なんで?」

「だってさー。お酒飲んで、おなかいっぱいで。
ね?次タクシー来たら止めても、いい?」

「ダメー。食事の後のいい運動。歩こう。」


少し笑ってそう言って
もう一度強く手を握られた

そうされるともう何も言えなくなって

彼方に見えるタワーに向かって歩き出す


幹線道路の交通量はまばらで
人影はもちろんなく

世界が動いている気配はするというのに
自分たち以外はすべてが眠っているかのようだ


30分は歩いたころに
ようやくタワーの入り口に到着する

付近はクリスマスのイルミネーションで飾られていて
カップルというよりも家族連れが多く賑やかだ


「綺麗だねぇ。タワー、まるでARみたいだ。」

「女の子がさ。こういう場所でそういうこと言うんだ。」

「なに?"うわー。すごーい。キレーイ。"とか言えばいいの?」

「ごめん。今、ちょっとむかついたわ(笑)」

「だってさ。ほら。すごく嘘っぽい綺麗さじゃない?」


想像していたよりもはるかに大きくて
青と白の光に包まれて今にも迫ってきそうな迫力だ

チケットを買ってスケルトンのエレベータに乗り込む

中では珍しくエレベータガールが案内をしていて
今日だけで何度言ったかしれない説明が終わったと同時に展望フロアに到着した

遅い時間だからかそこまで混んでおらず
運良く特等席らしいソファに座ることができた


なんだか言葉数が少なくなってきた


微かに流れるジャズと

目の前に広がる夜景と

右手に繋がれた感触と


あと足りないものは

美味しいお酒くらいだと思った。
 
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by nobiko9 | 2011-01-08 19:07 | 恋愛スル


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