2010年 06月 01日
温泉。part3
 
ようこそおいで下さいました。


少し渋滞していたものの予定通りの到着だ

敷地に入ると同時に宿の人が出迎えてくれる
「お世話になります」と言いながら車から降りてキーを渡す


空は今にも雨が降り出しそうなくらい重く
風が冷たくて肌寒いくらいだ


「いらっしゃいませ。」


エントランスで靴を脱ぎロビーに通される


「ただいまチェックインの準備をして参りますので
お座りになってお待ちください。」


ゆったりとした造りのロビーでは
先客がソファに座っていた

窓際の席に目を向けると

三畳分はあろうかという程の大きな一枚ガラス一面に
湖と艶やかな緑が広がる



「素敵だね。」

「このガラスを下からここまで運んできたかと思うと
ちょっとすごいね(笑)」

「ほんと。」

「きっとさ、一枚でなきゃいけない必要はないんだよ。
でもさ、たまに、だからすごいなって思う客のためなんだろうな。
何枚かになってて、閾があったら全然雰囲気違うだろうし。」



私はすでにこの宿を選んだ幸運に感謝していた

香りの良い抹茶をいただきながらチェックインを済ませ
仲居さんに案内されて一輪挿しのある廊下を進む

和室で掘りごたつのある落ち着いた雰囲気の部屋からも
ロビーとは一段高い目線からの湖が望めた



「ご飯の前にお風呂入りにいこ?」

「そうだね。」



立ちあがって彼と目が合った


吸い寄せられるように身体が動いて彼の胸に顔を埋めた

ゆっくりとキスをして


今日会ってから初めてのキスをしていることに気付いた。
 
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by nobiko9 | 2010-06-01 15:24 | 恋愛スル


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