2010年 03月 24日
好きな人ができた。part6
 
寒いから中入って待ってて。


玄関のドアの前で彼が言う

酔っ払った頭を一瞬目まぐるしく回転させ
私は笑顔で言う


「ありがとー。まじで眠いから早くね!」


部屋にはもちろん上がらない

ブーツを履いたまま玄関に体育座りをして丸くなる



目を閉じると

いったいここがどこだか分からない



小さく小さく丸まりながら

私はこんなところで何をしているかと思う



寒くて寒くて寂しくて真っ暗で

朝から見知らぬ男の玄関で何をやっているのかと思う



「そんなとこいたの?上がればいいのに(笑)
 煙草、一本吸ってもいいかな?」



自分の家なんだし好きにすればいいと思う

なんだかすごく残酷な気分だ



「・・・やばい。眠い。」

「ごめんごめん。おまたせ。いこっか。」



何事もなかったようにエレベータで地上に降り
大きなスクーターにまたがって朝の街に滑り出す

街はキラキラと輝いていて風は冷たくて
信号で止まるたびに彼は私に話しかける

走り出すともう何も聞こえない
眠くてぼんやりした頭で彼の大きな背中を見て



あぁ、この人はきっと善良な人なんだと思った



あそこでしてたら何か変わってたかなー

だいたい「しよう」って言われてたらしてたかなー


恐らく少しだけ
私に好意を抱いてくれているのが分かる

私は無意識にそれを意識せず
無邪気に応じているのかもしれない


でもなぜかこの日

この人とはこれから先
絶対に何もないということが分かったんだ。
 
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by nobiko9 | 2010-03-24 13:45 | 恋愛スル


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